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妙覚寺鐘楼新築

由緒ある日蓮宗不受不施派の祖山妙覚寺。その鐘楼の建て替えに、ご住職から直々に指名を受けて臨みました。

伝統技術を生かすような建築が少なくなった今。
若い職人にとっては伝統工法の技術を再現する千載一遇のチャンスであり、年季の入った棟梁にとってはこれまでの経験と磨いてきた腕が試される大仕事です。
なにより、自分たちが手掛ける鐘楼で未来永劫、梵鐘の音が鳴り続けることを思うと、全員、大きな使命感に身が引き締まる思いでした。

鐘楼には「四方転び(しほうころび)」という技法を用います。

鐘楼の中央には200キロ余りの鐘が吊り下がり、重い瓦を葺いた6メートル四方の大きな屋根と、中央に向かって同じ角度で傾斜した四方の柱で支えます。正しくがっちり組むと、何百年もひずみが出ない伝統工法です。

欅の柱は8寸角の無地、梁桁は5寸×10尺無地…と材料を吟味し、大径木の無地の材を調達するのに一苦労。

職人が加工場で原寸図を書き、墨付け、刻みの後、仮組みをして、収まり具合を確認。

基礎工事、石組みと慎重を重ねて工事を進め、平成31年(2019年)2月15日に上棟。 約1か月半の施工後、建って美しく頑丈な四方転びを実現しました。

4月3日、満開の桜の下で行われた落成式では、新しくなった鐘楼から厳かな鐘の音が響き渡りました。

ご住職をはじめ、お寺の方々にたいへん喜んでいただき、使命を果たした充実感が胸いっぱいに広がった春の日でした。

施工事例